天中殺・空亡

天中殺(空亡)の2年は、何もしないほうがいい? 2026・27年が天中殺の人へ、中国の原典の読み方

監修:青禾(三才堂 鑑定師)

9:30
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「来年から天中殺に入ります。今年のうちに、再就職と引っ越しを済ませたほうがいいでしょうか」

Yahoo!知恵袋に、30歳の女性からこんな相談が寄せられていました(2025年11月)。2026年(丙午)と2027年(丁未)は、«午未天中殺(うまひつじてんちゅうさつ)» の人にとって、天中殺にあたる2年です。

日本では「天中殺のあいだは、結婚・転職・引っ越しを避けたほうがいい」という言い方がよく知られています。では、天中殺のもとになった中国の四柱推命(八字)では、どう扱われているのか。中国の原典と、中国の命理家が書いた解説を読み比べました。

天中殺のもとは「空亡」

天中殺は、中国の四柱推命でいう空亡(くうぼう)をもとにした考え方です。日本では、算命学(さんめいがく)の言葉として広く知られています。

干支は、十干(じっかん)と十二支を一つずつ組み合わせて数えます。十干は10、十二支は12。甲(きのえ)から始めて十干を一巡させると、十二支が二つ余ります。この余った二つの支が、その組の空亡です。

たとえば、甲子(きのえね)から癸酉(みずのととり)までの10個の組では、戌(いぬ)と亥(い)が余ります。生まれた日の干支がこの組に入る人は、«戌亥天中殺» と呼ばれます。六つの組と、次に天中殺がめぐる年は次のとおりです。

生まれた日の干支 天中殺(空亡) 次にめぐる年
甲子〜癸酉 戌亥 2030・2031年
甲戌〜癸未 申酉 2028・2029年
甲申〜癸巳 午未 2026・2027年
甲午〜癸卯 辰巳 2036・2037年
甲辰〜癸丑 寅卯 2034・2035年
甲寅〜癸亥 子丑 2032・2033年

年の区切りは1月1日ではなく、立春(2月4日ごろ)です。午未天中殺の人なら、2026年の立春から2028年の立春の前日までにあたります。辰巳天中殺の人は、2024年と2025年の天中殺が、2026年の立春で明けたところです。なお、天中殺を生まれた日の干支から見るか、生まれた年の干支から見るかは、流派によって分かれます。

自分の天中殺はいつ? 命式表での調べ方

三才堂の命式表には、下のほうに「空亡」の行があります。左から3番目、日柱(にっちゅう)の欄に出ている二つの支が、生まれた日から見た天中殺です。「午 未」と出ていれば、2026年と2027年がそれにあたります。

中国の原典は「空亡だから凶」とは書いていない

明の時代の『三命通会(さんめいつうかい)』は、巻三の「論空亡」で空亡を取り上げ、こう書いています。

空にして実あり、亡にして存あり。ゆえに、いまだすなわち凶と論ずべからず。

空亡といっても、そこにあるものが消えてなくなるわけではない。だから、すぐに凶と決めてはいけない、という意味です。

清の時代の『子平真詮(しへいしんせん)』には、空亡を扱う章がありません。そのかわり「論星辰無関格局」という章で、命式の良し悪しは生まれた月を軸にした組み立て(格局)で決まり、特殊星(神殺)の良し悪しで決まるものではない、と書いています。もう一つの原典『滴天髄(てきてんずい)』にも、空亡を取り上げた章はありません。

中国式の四柱推命では、空亡は命式全体を読んだあとに添える補足、という位置づけです。

中国の命理家は、空亡をどう読んでいるか

中国の命理家がネットで公開している空亡の解説を4本読み比べると、多くが同じ読み方をしていました。

空亡は、その支にある星の力を弱めるもの、という見方です。命式を助ける星が空亡に入っていれば、その力が弱まるのは惜しい。反対に、命式を苦しめる星が空亡に入っていれば、害がむしろ軽くなる。「吉神空なれば合を見るを喜び、凶星空なれば合を見るを忌む」という古い言い回しも、複数の記事が引いていました。空亡の支がほかの支と冲(ちゅう)や合(ごう)で結びつけば、空亡として扱わない、という読み方もあります。

同じ空亡でも、命式によって良くも悪くも働く。天中殺の年は誰にとっても悪い年、という読み方とは、ずいぶん違います。

一方で、「空亡があれば親が早く亡くなる」「子どもに恵まれない」といった言い切りも、中国の記事には少なくありません。こうした言い方は、『三命通会』自身が「すぐに凶と決めるな」と書いていることとも合わないため、三才堂では採りません。

気になるなら、前回の天中殺を振り返る

天中殺は12年ごとに、2年ずつめぐってきます。午未天中殺なら、前回は2014年と2015年、その前は2002年と2003年でした。

その2年に何があったか、書き出してみてください。仕事、結婚、引っ越し、体調、家族のこと。

大きく崩れる出来事が続いていたなら、その時期の大運や年運とあわせて、慎重に読む価値があります。特に何もなかった、あるいは良いことがあったなら、天中殺だけを理由に大事な決断を先送りする必要は、あまりないかもしれません。三才堂の命式表では、大運と年運の欄で、その年にどんな星がめぐっていたかも確かめられます。

天中殺も、自分の過去で確かめてから読むのがいちばん確実です。

よくある質問

Q. 天中殺の年に、結婚や転職をしてはいけませんか?

中国の原典では、空亡だけで吉凶を決めない立場が取られています。天中殺だけを理由に決断を避ける必要はありません。気になる場合は、前回の天中殺の2年に何があったかを振り返り、命式全体と大運・年運を見てから判断してください。

Q. 自分の天中殺がいつかは、どうやって調べますか?

生まれた日の干支が、六つの組のどれに入るかで決まります。三才堂の命式表では、「空亡」の行の日柱の欄に、二つの支が表示されます。

Q. 大運天中殺・宿命天中殺とは何ですか?

どちらも算命学の言葉です。10年ごとにめぐる大運が天中殺の支にあたる時期を大運天中殺、生まれた年や月など命式の中に天中殺の支がある状態を宿命天中殺と呼びます。中国の四柱推命でも、大運でめぐる空亡や、命式の中にある空亡を見ます。三才堂では、これも空亡だけで吉凶を決めず、命式全体とあわせて読みます。

参考

  • 『三命通会』巻三「論空亡」(明・萬民英)
  • 『子平真詮』「論星辰無関格局」(清・沈孝瞻)
  • 中国の命理家による空亡の解説記事(2019〜2024年公開の4本)
  • Yahoo!知恵袋「天中殺」に寄せられた質問(2024〜2025年)

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